· 

エッフェル塔模型の内部構造

横浜のお客様 Harryさん からエッフェル塔の画像が届きました。
エアロベース E001 1/1000スケール エッフェル塔。高さは31cm。
ステンレスのメタルシートでできています。
解説は一番下に書きます。

まずは画像をずらっと並べますね。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

エアロベース E001 1/1000 エッフェル塔

【 模型要目 】 1/1000スケールの金属製組み立てキットです ●全高312mm、土台の幅125mm ●パリ現地取材により美しい姿を再現 ●接着剤不要のはめ込み式で組み立てやすいパーツ構成 ●「金属の折り紙」と称される当社独特の手法で完成までの工程を楽しめます ●パーツ点数:約150 ●参考組立時間 5~10時間  ●ピンセットつき  ●ナイフ不要 ●スペアパーツの供給:あり ●おすすめ工具:タミヤ・ヘッドルーペ

では、Harryさんの作品をつかって解説していきます。
ミゾどうしをはめ込んだり、ツメを曲げたりして完成します。
接着剤は使いませんので、ノリをつけていくペーパークラフトよりも「簡単」なのです。
すごく細い格子のパーツなどは、精密フォトエッチングという工法で最初から加工されています。
厚みが0.2mmといえども、そこはステンレス(スプーンやフォークと同じ)。
グニャっとは なりませんね。

画像1)4本脚を支える土台はホワイトメタル製。重いので安定します。
ここにも接着剤は使わず、はめ込んでツメを曲げて固定します。
わざときっちり止まらないように設計しています(ちょっとぐらつく)。
飾る場所が完全に平たいとは限りませんから、この仕組みだとなじむのです。

画像2)中央のアミは、本物のエッフェル塔では構造物ではありません。
落下防止にナイロン(?)のネットを張っているのです。図面には描かれないところですね。

画像3)塔頂では紳士淑女が手をふっています。身長1.8mmほど。
ピンセットでつまむと飛んでしまいそうですね。
ご心配なく。次の画像4に答えがあります。

画像3)一番てっぺんのフランス国旗は2種類から選べます。
Harryさんのはステンレスそのままです。クールな感じです。
もうひとつは、パーツシートの画像5の中央にある国旗リボンを使うこと。

これもかわいいでしょ。

内部構造をずーっと見ていくと、
画像7)NORD, OUESTと彫刻が。なんでしょう、これは。
これは、東西南北を表しているんですね。組み立てたあとも文字はのぞき見えますから
方位磁石の通りに置けば、東西南北がわかるのです。

実物にはこんな大きな文字は描かれていませんけど。現在も看板で東西南北が示されていたと思います。
模型には一種のジョークを込めたいのです。

まあ、どの角度から見ても細かく見えますけど、部品の種あかしをひとつします。
どうぞ。

意外に大きなパーツでしょ。
そしてこのパーツの切り取りには

ナイフは使いません。
板チョコを分けるように、指でプチプチと分けていきます。
「折れてしまいそう・・」という心理を逆に利用しています。
折れてバラしていいのですよ。なかなか気持ちいいですよ。

画像11)現地に行くと、観光客は必ずと言っていいほど、エッフェル塔の真下に立って見上げますね。
実はここから見える構造物もこの模型では重要なパーツになっています。
図面や写真ではわからない部分が多く、設計が進みませんでした。
また、試作品はまだ全体に か弱くて、手に持つとグニャグニャしました。
そこで現地取材を観光、いや敢行したのです!

帰国後、さっそく下から見上げたときに見つけた構造物を追加設計。
これで模型の強度がグンと増しました。ホッ。

画像12)パーツは3枚の大判エッチングパーツで構成。
それぞれ折りたたみ式のパッケージに入っています。
つなぎ合わせると、これになります。青を左に置いてくださってますね。
黒いピンセットは、タミヤのストレートピンセットです。
キットに付属しますよ。小さいペンチがあると、さらにツメが曲げやすくなります。
ここには写ってますけど、ナイフやニッパーは不要です。
Harryさんはパッケージを開けるのに使ったのかな。さすがデザイナー、丁寧ですね。

 

ちなみに、ヤスリも使わないでください。
パーツを分けた跡は、組み合わせるパーツ側に隠れたり、いろいろ工夫しています。

画像14)2階(日本風に言えば3階)から塔頂までのエレベーターがつきます。
地上階から1階(同2階)へのエレベーターは、
世界初の「斜めエレベーター」だったそうです。
ギュスターブ・エッフェル氏は、地面からドンとエレベーターを通したくなかったと読んだ記憶があります。
動力は、セーヌ川の流れを利用した水力発電です。

この1/1000モデルでは斜めエレベーターは再現していません。小さい脚の中に再現すると、外観の美しさが損なわれるのですよ。

私もギュスターブなみにこだわらせていただきました!
2倍サイズの1/500モデルでは、思いっきり再現しましたよ。

画像の左のほうが各階エレベーターのパーツ
(S001 1/500エッフェル塔に付属)

画像16)2階部分の床には、4つのミゾがあります。
ここに、塔の上部ユニットの底にあるツメを差し込んで、塔ごと回すのです。
接着剤なしで、塔の上部と下部がくっつきました。
このあとさらに、回転が元に戻らないようにするための手スリもつきます。
ここももちろんはめ込み式です。

どうでしょうか、Harryさんの作品をご覧になって。
できそうですか? よけい難しそうですか?

こんな今だからこそ、
エアロベースのエッフェル塔模型を飾って、
パリに思いを馳せるのはいかがでしょうか。

エッフェル塔関連のblog

・ビールのCMに登場しました!

エアロベースのエッフェル塔が登場するCFです。
すばらしい撮影です。

当社製品の対象年齢は15歳以上です。お子様が作るときは、必ず保護者がつきそい、パーツの尖り、パーツの入った袋をかぶらないこと、工具の扱いと保管に注意を払ってください。当社製品の素材は主に真鍮、銅、ステンレス、ホワイトメタル、マグネット、ヒノキです。アレルギーのある方はご注意ください。

すべてのエアロベース製品はモデルキットデザイナー岩見慎一が設計し、国内の委託工場で生産しています。