エアロベースの仕事 No.3

作品No.3
ロンジン社向けスピリット・オブ・セントルイス
(非売品, 1997年)

リンドバーグの大西洋横断から70年後の1997年、スイスのロンジン社から500個限定の記念時計が発売されました。
購入者へのプレゼントとして、当社製品が採用されました。

採用のきっかけは発売前の雑誌広告。突然の営業電話をかけたのでした。

すぐに銀座に飛び、1/72のセントルイス号(A002)をお見せしたところ、おまけにしては大きすぎるとのこと。
海外のプラモデルを用意するから500個つくってくれという提案でした。それはその時点でもう30年以上前から生産されている古いキットで、とても御社の実直な機械式時計のイメージに合いませんと粘っていましたら、
「それ、何?」とご担当。
出張かばんに入れていたのは、実験的に作った小さなセントルイス号でした。
金属板を溶かして生産するフォトエッチングという加工法は、小さいほど真価が発揮できるのです。
手のひらサイズの飛行機を取り出すと、「完成品を500個、用意してください」と即決でした。

ステンレスのパーツを友人O氏が組み立て、私がハンダ付けする日々が続きました。
ホワイトメタルパーツの量産を依頼していたRCベルグさんの協力もあり、なんとか間に合わせました。

が、

特製パッケージに、梱包材のつもりで当社のカタログを折りたたんで入れてしまっていたのです。
まったくもってビジネスというものを知らなかった私。
納品してすぐにお呼びがかかり、銀座のビルの一室で500個ぜんぶのフタを開けて、カタログを取り出しました。

ご担当の男性は、採用時の即決といい、この大ミスの対応といい、大きな方でしたね。

ところで、この完成品は翼長9cmほど。
これなら、A002よりもずっと安価で気軽な製品ができそうだと気づきました。
そこで契約条件として、組み立てキットを販売してよいということにしてもらったのです。

このあと、エアロベース品番B、マイクロウィングシリーズがスタートします。