資料として図面を読む

開発中のマイクロウィングシリーズB110
ブルドッグレーサー。

蜂の羽根のような主翼がカワイイ!
と満足していましたら、これが間違いかもという資料が出てきました。

Vern Clements氏が描いたブルドッグレーサーの図面。
2003年にたぶんご本人(か奥様)が送ってくれていたのでした。

実機の1/8スケールの大きさでプリント、
日本に送るために縦が3分割されています。

ブルドッグレーサーは1932年のエアレース「トンプソントロフィー」に出場したものの、
エンジン不調で6位に甘んじた機体です。

パイロットは設計者ご本人のBob Hall氏。
グランヴィルブラザーズのもとでジービーレーサーZを設計、パイロットとしても優勝しています。
独立後に、ジービーレーサーも出場するトンプソントロフィーのために設計したのが
ブルドッグレーサーです。
(大戦中はワイルドキャットやヘルキャットの設計にも関わったそう)

レースのあと、エンジンやプロペラはエンジンメーカー(P & W)に返却されたようで、
小さなWasp Jr.エンジン (ジュニア。Gee Bee R-2にも搭載された)がついていたのか、Wasp Sr. (シニア。Gee Bee R-1同等)が
ついていたのかさえ、はっきりしてきませんでした。
出場レースのタイプから、大馬力のシニアかと推定できますが。

Vern Clements氏の図には寸法以外の情報も盛り込まれています。
それによると、エンジンは大きいシニアが積まれていたようです。
「これまでJr.と書いていた記事は10点ほどあり。
しかし87年3月9日にBob Hall氏ほか1名がシニアと証言した」
とあります。
私の想像では、間違えた記事を書いたライターは、エンジン形式まで気にしていなかっただけではないかと。
(その記事ではエンジン性能は重要事項ではなかったか)

その他、ありがたい情報として、
・翼幅7.9m
・翼リブ、NACA M6 75%
・主翼後退角は5度
・迎角3.5度
・上反角1度
・ねじり下げの分量
・プロペラ長2.4m などが記載されています。

ただ、Vern Clements氏がどうやってこのデータにたどり着いたかと言えば、
1932年レース時の白黒写真(機体がターンしているため、主翼の後退角を推測できる)などです。
最後は、実機を設計したBob Hall氏の「間違いない」との言葉で閉められます。

蜂のような主翼の図は、トンプソントロフィーの翌年に発行された
Model Airplane News Magazine (1933年6月号)に登場します。
(リンク先に図面あり)
Vern Clements氏が後退角5度の図を描いたのは1987年。
ウィリアムズブラザーズ製の1/32プラモデルが、やはりVern Clements氏の図面を元に
「正しい翼」になっています。さすが。

翼について
エアロベース流の処理は、、、。

まず試作してみますね。