人力飛行機シリーズの開発

エアロベース 人力飛行機シリーズ(品番H001~H006まで発売中)は、
2011年9月末から開発が始まりました。

ドーバー英仏海峡を横断した人力飛行機があったことを知ったのがきっかけ。
航空エンジニアのポール・マクレディが率いたチームは、
まず実験機をつくり、続いて8の字飛行に成功。
1979年、ついにドーバーを越えます。

 

ネットでこの画像を見つけ、さっそく撮影者に連絡しました。
アメリカに住むDon Monroe氏は、
当時、人力飛行機チームのカメラマンを務めた方でした。

 

次に、図面の入手を試みましたら、イギリスに住むイラストレーター
Patrick Lloyd氏が、ドーバー海峡横断当時、機体の図解を描いたことがわかりました。

 

 

エアロベースで製品化の協力を求めるときは、それまで発売した製品の画像を
送ります。
このお二人からも、ぜひエアロベースで製品化せよ!と協力を得ることができました。
Don Monroe氏からは、他の機体の画像についても使用許可がでました。
Patrick Lloyd氏からは、三面図と、細部の仕組みがわかるイラストも提供されました。

 

2011年の試作の記録では、
H001モハベからH004ダイダロスまでの4機をいっぺんに設計しています。
第1回試作は2011年9月末。
仕様(大きさ、価格帯、パーツ点数=組立時間)、材料の選定など、
週1くらいで設計やり直しと試作を繰り返し、12月に4機発売しています。
資料集めから数えると5か月くらいでしょうか。

 

パーツ点数は6点と極端に少なくしました。
組み立て方は、いつものエアロベース流。

そのかわり、卓上モビール(マグネットつきスタンド)として、完成後も楽しめます。

 

卓上モビールには、それぞれ「オマケ」がつきます。

H001 モハベ 76には、ふたりのチーム員。

H002 コンドル 77には、リカンベント自転車。
飛行機も同じ寝そべりの姿勢でこいでいますね。

H003 アルバトロス 79はドーバー海峡横断機ということで、
ドーバーを舞うカモメちゃんがつきます。
実際、フェリーに乗ると、カモメが寄ってくるとか。

こちらはH004 ダイダロス 88。
ポール・マクレディ機ではなく、マサチューセッツ工科大学が作った世界最長飛行記録を持つ機体です。
ギリシャのクレタ島からサントリーニ島まで115kmを飛びました。

こちらが実機画像(チームを率いたDr. John Langford提供)

ということで、H004にはボートをつけました。

この卓上モビールには、もうひとつ遊びがあります。


地面までの高さが、平均飛行高度を表しているのです!
時代を追うごとに高くなっていますね。
低い方が、「地面効果」という恩恵があるのだそうですが、
右の2機は海面上ですから、波をかぶるのを避けた高度なのでしょうね。

 

図面提供者のPatrick Lloyd氏とは、発売から3年後の2014年に
IPMS/UK イギリス模型大会でお会いできました。
(80代で、往復400kmをおひとりで運転して来場されました!)

 

ダイダロスの実機画像を提供されたDr. John Langfordは、
1988年に世界記録を達成した後、最先端の航空機メーカーを創業することになります。
そして、そのメーカーとエアロベースが合作することになるのですが
こちらはまだ公表できません。

 

次回は、ひょんなことから始まった人力飛行機シリーズ第5作と6作目の
開発秘話をお届けします。