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カレラ10で温故知新

タミヤ1/18ポルシェカレラ10

初版のパッケージだそうです。

1969年、56年前のキットを組み立てて走らせましょう。

https://www.amazon.co.jp/dp/B001PYVKWC

まだ販売されていますが、現在のものはモーターが省略され、走りません。

 

昭和44年のプラモデル。よく残っていましたね。

ボディ上部はブリスターパックに収まっています。

ブリスターパックに入れる理由は、箱を開けたときに「欲しい!」と思わせるための演出でもありました。最近のチェーン店などでは、プラモデルは封されていて中身を見ることができませんね。

クリヤボディとして走らせられそうなブリスターパック。

モーターが組み込まれた状態のギヤーボックス。もうこれだけで「友達と競争させたい!」と思わせる演出がなされています。現代のプラモデルはパーツ点数の多い複雑なディスプレイモデルが主流ですが、当時は走らせて遊ぶのが当たり前だったんですね。うまく走るように作れるかな?

グリス、接着剤、ムギ球、テールライト(赤の透明プラ)、コード、電池金具。いかにも当時のプラモ。

とは、当時は駄菓子屋や小学校前の文具店でもプラモデルが売られていて、そのお店が接着剤や塗料などの「副資材」を扱っていないこともありましたから、こうしてメーカーがセットすることが多かったですね。

あこがれの中空タイヤ。

なぜ憧れかというと、子供が買える値段のプラモには「かたまりのタイヤ」しか入っていなかったのでした。小中学生のころ、タミヤ1/12F1は高嶺(値)の花で、私にとってはこの1/18シリーズが中空タイヤに触れる最初でした(このポルシェではなく、ローラ)

デカール(当時タミヤではマーク)はさすがに使えませんでした。お湯でノリを溶かすと、印刷部分が粉々になりました。

なのでポルシェのエンブレムの上にセロテープを貼ってマークの外線にそって切り抜いておきます。それをぬるま湯につけ、セロテープごとボディに貼りました。ノリは効きませんので、木工ボンドをつけて貼りました。

ボディを組んでから金具を取り付けました。

コードの図は実物大ではありません。図の横に描かれた「物差し」に合わせてコードを切り分けます。

このキットのメインはここではないでしょうか。スイッチのひねり量で動作を分けています。1は停止、2はテールライト点灯、3は前進とテールライト点灯、4は前進。これがうまくいけば楽しいですね!

ギヤボックスをエンジンの中に組み込みます。なんか本物っぽくて楽しいです。

あっと、その前に、動くかテストしないとね。

こんなふうに、完全に内部に組み込まれますから。

組み込んだ後も慣らしを続けていましたが、たまに止まったり、だんだん速くなったり、安定しません。モーターが古すぎるんでしょうか(和歌山模型さんによると、マグネットが弱くなっているんじゃないかとのこと)

今回の製作の目的はあくまで「走らせること」

当時のパーツにこだわるよりもそちらを優先して、新しいモーターに換装することに。あれ?長さが違う、、、

元のモーター。マブチ14モーターです。

現行品の140モーター。全長が違うんだ!

ギヤーボックスの第一ギア(クラウンギヤ)のシャフトに触れないよう、モーターのシャフトを3ミリ切り捨てることにします。

モーターの前ふちからシャフトの先端までの寸法が合いました。当然、後端は140モーターのほうが長いです。

ちょっと大胆、ていうか雑ですけど、140モーターが収まるようにエンジンを切り捨てました。

その他の部分も進めていきます。

ユニバーサルジョイントはけっこううまく動きましたが、図のB6の板バネがよろしくないです。なんとかモーターに負担がかからない程度に調整して、走行可能になりました。

キット付属のムギ球。テールライト用2個入り。点灯しましたが、コードの取り付けが弱くて、現在のムギ球に交換しました。50年前のは、コードと球を一体化するチューブがなく、すぐにコードがはずれます。ハンダで何度も修正しましたが、いかんせん、当たる面積が小さすぎてハンダも利きませんでした。

スイッチを3の位置に動かすと、

テールライトが点灯し、タイヤも回ります。スイッチを少し戻すとモーターが止まりテールライト点灯のみ、逆にスイッチを進めるとテールライトは消え、モーターのみ動きます。かと言って、目に見えて速くなった感じはありません。

単3乾電池 2本 3ボルトでの走行シーン。

今後もグリスアップできるように、エンジンをくり抜きました。

ギヤーがむき出しではけっこうゴミを巻き込みましたので、プラ板でカバーを作りました。マジックテープで取り付け。

コードの取り回し。

運転席もパーツ点数が少なくて良いです。

グリスと接着剤は古くて使えませんでした。捨てるのも忍びないので、リアカウルに貼り付けました。ここなら失くすことはありませんね!

電池はサイドシル内。コードがじゃまでカバー(黒いパーツ)が締まりません。カバーの下部を適当に切り取りました。

左右ドアと天井の3パーツで構成された中間部。ドアは可動式ですが、

このように一体化しました。展示会で走らせるときなどに便利なように。

前輪の切れ角はかなり大きいです。スイッチ図のコピーを貼りました。おふざけとも取れる工作ですが、当時の子供もこんなふうに自由に遊んだのかなと想像しながら貼りました。

サインを書き入れて完成!

再販ものを買って新しいマークを貼ろうかと考えたのですが、こういうプラモデルはできるだけ気軽にさっと作りたいもの。走ったらOKだしね。

アスファルトで走らせるとカウルが飛んでいきます。セロテープで仮おさえ。

もっと速く!

単3乾電池の1本を3Vのカメラ用電池と積み替え、計4.5Vにした走行シーンです。

当時、モーター付きで850円

乾電池は別売りです。

スペアパーツの価格表です。

・プラパーツ全部(A~F)で690円

(Fが高いのはボディー一式)

・ギヤーボックスとマークで130円

・タイヤ1台分で200円

モーター別で合計1020円です。

当時、14モーターは100円未満でしょう。

パッケージと説明図代(計100円として)も足すと、1220円。

良心的なスペア代ですね。最後まで作り上げてほしいというタミヤの心意気でしょう。

 

パッケージ天面にはタミヤのロゴマークがふたつ。

ここね。

これもいい!

会社のマーク以外に、シリーズを表すマークがあると印象が強くなりますね。

そして、今回一番参考になったのはこれ!

次回作の予告です。ライバル車や後継車をシリーズで発売していく。

わくわくするじゃないですか。

エアロベースにも取り入れていきたいですね。

当社製品の対象年齢は15歳以上です。お子様が作るときは、必ず保護者がつきそい、パーツの尖り、パーツの入った袋をかぶらないこと、工具の扱いと保管に注意を払ってください。当社製品の素材は主に真鍮、銅、ステンレス、ホワイトメタル、マグネット、ヒノキです。アレルギーのある方はご注意ください。

すべてのエアロベース製品はモデルキットデザイナー岩見慎一が設計し、国内の委託工場で生産しています。